薫る野牧場のこと

このページでは私が働いている薫る野牧場についてご紹介します。

薫る野牧場ってなに?

神奈川県山北町、大野山という小高い山があるのですが、その大野山の東側の尾根にある牧場です。
2018年6月に始まったばかりの牧場です。女性が1人で始めたということで各種メディアにも多く取り上げられています。

2020年4月現在3頭の牛を飼っています。

富士山も見える牧場。牛たちも寛いでいることでしょう

どんな牧場なの?

A.牛を山で飼っている牧場です

その飼い方が独特です。

薫る野牧場には、牛舎がありません
牛はどこで生活しているかというと通年、つまり365日山に放牧されています
牛のエサも海外から輸入される穀物などは与えず、主なエサは山に生えている草

飼っているのはジャージー牛。白黒ではなく、茶色いこいつ。

「れもん」最年長。この立派な角が特徴である。

牛を山に放ち、牧場経営を確立するとともに、山の保全も取り組むこの手法は、
山地酪農とも呼ばれます。

国内でこの飼育法を実践している農家は10軒あるかないかといわれています。

牧場長の島﨑薫氏は、岩手県の中洞牧場で修業を積み、独立の場として山北町にやってきました。
2020年4月現在、3頭のジャージー牛を飼育しています。

ジャージー牛の特徴は、ホルスタインより体が小さく、傾斜地にも順応し易いということ。そして、乳は脂肪分が多く、乳は深い味わいを感じられます。

山地酪農を紐解く3つのポイント

山地酪農とは、理学博士の猶原恭爾氏により提唱された山地で行う放牧酪農の手法です。
戦後まもなく提唱されましたが、現在この山地酪農を実践している農家は10軒ほどと聞いたことがあります。

薫る野牧場でも現在実施しようとしている山地酪農の要素を、3つにまとめて簡単に説明します。

①ノシバの山 人・牛・自然にとって持続可能な山づくり

ノシバは日本在来のシバです。公園にも植わっていたりします。

匍匐茎(ホフクケイ)と言われる茎を持ち、地面を匍匐するように茎を伸ばします。
そしてその地中には、30cmほどの根をびっしり張るのです。

平成28年、岩手県の中洞牧場(山地酪農の聖地的な牧場)に台風10号がやってきました。牧場のある岩泉町では甚大な被害がもたらされましたが、牧場のノシバが植わっていた場所では被害が無かったようです。地面にびっしり張る茎とその根のおかげともいわれています。

また、ノシバの持つ保水力(水を地面で蓄える力)が天然のダムとなり、少しずつ水を排水することで、被害が軽減されたという話も聞きました。このように、まずは災害に強い山をノシバがあることで作ることができます。

また、ノシバは牛のエサにもなります。牛が食べるとまたすぐに葉が生えてくる強い生命力があります。

一般的には牧草を育て、それを人が刈り取り牛に与えますが、牛がノシバを食べてくれます。
牧草の刈り取り・給餌の労力がかからない、そして牧草の肥料として化学肥料等を与えずに済み自然に影響を与えるリスクを抑えることもできます

ノシバについてはこちらの記事に詳しくまとめられています。

また、ノシバに限らず山の草の状況は季節により変わります。冬は夏場に刈り取った乾草を与えますが、夏は自生している草がメイン。そのため、季節により牛乳の味や見た目が少し変わります。

確かに牛は「経済動物」ではありますが、均一な品質を無理に人間が操作するのではなく、牛も人間も自然も負荷をかけ合うことなく事業を行うことは、農業にとって理想的な状態だと思います。

②牛は365日、自然放牧。出産も牛任せ!?

牛は常に放牧地で過ごしています。草を食べたり、葉を食んだり、寝たり。自由気ままに過ごしています。
また、放牧地は傾斜地もあるため、牛は1日にかなりの距離を歩き回ります。牛にとってはストレスフリーに。適度に体を動かせるため、病気のリスクや、分娩時の事故のリスクも下がると言われています。

分娩も基本的には牛任せ。寒い日、雨風が強い日は勿論心配になりますが、基本的には人間が分娩の介助を行いません。

③商品製造

山北町内唯一の販売店 やまきたさくらカフェ さくらの時期限定ソフトクリーム(さくら)

薫る野牧場では、搾った乳はソフトクリームミックスに加工しています。

ジャージー牛の生乳から作られたソフトクリームは、濃厚ですが、後味がすっきりとした味わい。
濃厚なソフトクリームが各地で食べられますが、その多くは生クリームなどを添加したものがほとんどです。
しかし、ここのソフトクリームは一味違います。それは原材料。

生乳・脱脂粉乳・てんさい糖」しか入っていないんです。一般的に売られているソフトクリームは、食感・味を良くするため、保存が効くようにするため、結構色々使ってます。

薫る野牧場には遊びにいっていいの?

 A.見学の受け入れを行っています。

まず留意してい頂きたいことが一つ。この牧場は、観光牧場ではありません。

レストランはおろか、トイレもございません
牧場見学について、下記になります。

大野山で始めた山地(やまち)酪農の現場を、説明を交えながらご覧いただきたいと思います。
作業の都合がありますので、ご見学可能日時はこちらで指定させていただきます。
(1 時間弱のご案内を予定しております。)
また、保険料等として、お一人様1,000円(小学生以下500円)を頂戴します。
牛のいる放牧地にも入るため、お越しの際は汚れても良い服や靴(できれば長靴)をご用意ください。

http://kaorunofarm.com/

毎月20日頃に、翌月の受付可能日時をお知らせしています。
ご興味のある方はホームページのほうをチェックしてみてください!

あなたの牧場でのしごとはなに?

A.草刈りとか搾乳とか、商品の納品とかを行っています。

2018年6月から始まったばかりの牧場です。やることはいっぱいあります。

私自身、畜産に初めて携わっています。命を預かるという責任の重いしごとの一つだと思います。

私が主催しているツアーでもこちらの牧場がコースになっています。
是非ご参加ください~!

タイトルとURLをコピーしました