春の大野山に行ってきました《この時期しかできない!?山頂での過ごし方3選》

やまのはなし

今日は大野山の山頂へやってきました。
この時期にしかできない?山頂での過ごし方を解説します。

新型コロナウィルスの影響で不要不急の外出の自粛などが要請されていますが、現在大野山等の丹沢の山々ではハイカーが増えています。お越しの際はくれぐれもお気を付けください。

大野山ってこんな場所

大野山は山北町の共和地域にあります。山頂は標高732m。共和地域のランドマーク的存在でもあります。大野山はかつて「王の山」や「星山」といわれていたそうです。この地にまつわる歴史は非常に古く、南北朝時代にまで遡ります。山頂には龍集権現という石碑がありますが、この石碑の建立もそのころだとか。

龍集権現。そのいわれは諸説あり、このページでは書ききれません。

因みに山頂下には駐車場も完備。トイレもあるという充実ぶり。
駐車場があるので車でも、歩いてでも登れるのが特徴かと思います。

近隣の小学校などは遠足でも使うということで、お子様でも登りやすい登山道です。
また、登山初心者にもおすすめされています。
東京が高尾山なら、神奈川は大野山だと思います。

今日は大野山のトイレ掃除

さて、今日は山頂まで登山!というわけではなくて、今年から薫る野牧場で大野山山頂のトイレ掃除と山頂のごみ拾いを頼まれているのです。今日はそんなトイレ掃除に同行、という訳です。

大野山トイレ事情 週1回のトイレ掃除なので…

大野山にはトイレが2か所。1か所は山頂下の駐車場。もう一つは山頂付近にあります。山頂付近のほうが便座があったり、トイレットペーパーが備え付けだったりと、おすすめです。山頂まで間に合わん!という方は山頂下の駐車場をご利用ください(笑)

なお、トイレ掃除は週に1度!なので登山客が多い時期は結構汚れます…。
ただ、皆様の少しの心がけでトイレは必ず使い心地がよくなります。
ご協力よろしくおねがいします。

近年登山客急増中の大野山。ごみはきちんと持ち帰ろう!

トイレの掃除だけではなく、大野山山頂付近などのごみ拾いも行っています。意外とごみが多く落ちています。登山の方は少しでも荷物を減らして、軽くして下山したいという気持ち、よく分かります!しかし、大野山には多くの方が訪れます。その方々がゴミを見たら、嫌な思いしますよね。なので必ずごみは持ち帰ってください!お願いします。

この時期しかできない大野山での過ごし方3選!

今回はトイレ掃除の同行であって、全然楽しむつもりがなかった私でしたが、なかなかナイスだったのでまとめていきたいと思います

①山頂周辺の芝生エリアで寝転ぶ

暑すぎず、寒さも和らいできたこの時期は、陽射しが本当に気持ち良いです!
山頂で寝転ぶと太陽を1人占めしている感じ。

さて、寝転んだら視線を空から、横、地面に向けてみましょう。大野山山頂にはシバが生えています。薫る野牧場の牧場長いわく、ムカデシバだろうとのこと。山頂周辺、道路以外の斜面にびっしりシバが生えています。現在牧場で増やそうとしているノシバも一部で見られました。

正直ムカデシバとノシバの違いがわからないという情けない話

ノシバもムカデシバも非常に見た目が似たシバです。匍匐茎で地を這うように伸びた茎とそこから伸びる草。ノシバのほうが若干茎が紫がかっている?ムカデシバのほうが葉がギザギザしている?なんて話していたらどっちがどっちだかわからなくなりました。

シバに関してはこちらの記事を読んでみてください!

大野山山頂では、天気がいい日は芝生に寝っ転がると最高に気持ち良いです!

寝っ転がったらふと、生えているシバを観察してみてくださいね。

シカの糞が落ちていることが多いので要注意!
気になっちゃう方は。レジャーシートなど利用された方が安全です。

②10,000円札の原料!?ミツマタを見る

初めて共和地域に来た時、ミツマタの樹を指さして「これお金だよ」と言われて以来、植物に疎い私も覚え続けている植物の一つ。お金はお金なのですが、和紙や紙幣の原料になっていたりと、色んな背景がある植物なのです。

ミツマタの群生地は大野山山頂の南東側にあります。数十本のミツマタの樹が並んでいます。枝がどこでも大体3つに枝分かれしているので花がなくても分かりやすい樹です。

ミツマタの花 山頂ではちょうど開花時期!

ミツマタの花はこんな感じです。山の麓のほうでは枯れ始めていましたが山頂は気温も低いためかしっかり花をつけていました。個人的に、可憐でめちゃめちゃ好きな花です。

共和のもりセンター(旧共和小学校)付近にも群生地があります。この写真は3月下旬ごろ。

実は山北町の一大産業だった。紙幣の原料としてのミツマタ

昔から和紙の原料として使われていたミツマタ。
明治時代からは紙幣の原料にもなり、ここ山北町もミツマタの産出地でした。

この植物のどこが紙の原料になるかというと、樹皮
コウゾや雁皮などの樹皮も和紙の原料等として使われるそうですが、ミツマタの樹皮を用いるときめが細かく適度に光沢がある高品質の和紙が作れるそうです。現在でも四国地方で和紙の加工に使われているそうです。

今も伝承されるミツマタを原料とした紙漉き技術

このミツマタの栽培や出荷が盛んだったのが、山北町の三保。現在の丹沢湖がある場所です。

三保には小学校があり、昨年行われた卒業式では、地域で育ったミツマタを原料に紙漉きをし、卒業証書を完成させたそうです。現在も地域おこしや伝統・文化承継の一環としてミツマタの保全と活用を行われているそうです。

③丹沢湖と相模湾が一望!水のながれがよ~く見える

大野山といえば眺望が抜群!遠くは房総半島や大島、富士山も目の前にどかーんと見えます!
特にこの時期、空気が澄んだ日の朝や夕方は絶景。
この大野山の眺めから皆さんに「」についても考えて頂ければと思います。

数少ない上流から下流まで一望できるスポット

ダムと海が同じ場所から見える場所です。こういった場所は数少ないと言われています。
海が雨雲を作り雨を降らせ、山に降り注いだ雨がダムに蓄えられ、やがて下流へ。
丹沢湖から流れた水の一部はなんと、横浜市や川崎市まで届いているそうです。驚愕です。

神奈川県の重要な水がめ あなたが飲んでいる水はここからきているかも?

丹沢湖は丹沢山地に囲まれたダム湖。このダム湖に蓄えられた水は三保ダムから放流されます。神奈川県では雨が少ない時期が長く続いても計画断水になることが少ないです。それもこの丹沢湖を含む5つの湖が水がめとして機能しているからと言われています。

また台風などで大雨の際にはここに水が蓄えられ、下流域(酒匂川流域)の洪水も防ぎます。

ダムって意外と色んな役割があったり、遠く離れた場所まで運ばれる水を蓄えていたり、よく働いていますよね。

丹沢湖から流れ出た水は酒匂川を辿りみなさんの家に

丹沢湖から流れ出た水は酒匂川を辿り、小田原市内の取水堰から汲み上げられ、遠くは横浜市や川崎市まで運ばれて行きます。あなたが何気なく飲んでいる水はどこからきた水か、一度考えてみませんか?

まとめ

まず、大野山に来た際は必ずごみを持ち帰りましょう!ご協力よろしくお願いします。

この時期(4月上旬)のちょっと変わった過ごし方3選は、

  • 寝転んでシバを眺めてみる
  • ミツマタに思いを馳せる
  • 水の流れを観察(あなたが飲んでいる水かも)

以上です!大野山は季節ごとに色んな楽しみかたがあります。

あなたの好きな大野山を是非見つけに来てください。

毎年4月29日に行われていた大野山開きは新型コロナウィルスの影響で中止になりました。神事のみ行われる予定とのことです。また来年皆さんのお越しをお待ちしております。

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