稲作③ 無農薬田んぼの除草事情《除草道具けずっ太郎も紹介》

稲作

夏場の田んぼは雑草との闘い。イネは分げつが進んで結構な大きさに。これから穂をつけていく、非常に大切な時期を迎えています。

そんな時期に出てくるのが雑草。
主に私の田んぼでは「コナギ」「ヒエ」が大繁殖。

今回は雑草の除草についてと、そんな苦境の中でも活躍してくれる助っ人、けずっ太郎も紹介します。

私の田んぼの雑草たち

コナギ

コナギは大豆科の雑草。気温がある程度上がった状態で酸素が少ない状態=田んぼに水が張っている状態で発芽しやすくなる雑草です。

繁殖力が凄まじく、横へ横へと広がっていくのでほったらかしにしておくと田んぼが一面コナギ畑になります

コナギは栄養豊富で炒めて食べると美味しいらしい。また「コナギ茶」にもなるらしい。農家の目の敵でもありますが、意外な活躍をする植物かも?

ヒエ

イネ科の雑草。田んぼの雑草の代表的な存在です。見た目が非常にイネに似ていることから、小さいうちに(イネとの見分けがつきやすい)抜いたほうが良い雑草の1つ。

一応イネと見分けることができて、イネは茎の節のところ(白いとこ)から毛が生えていますが、ヒエは生えていません

田んぼでの様々な除草方法

除草剤の散布

一般的に行われるのがこれです。田植え後に使用されます。除草剤によって異なりますが、正しく施用すれば抑草率は90%~100%近く。最も効果が見込める手段かと思います。

私の田んぼでは、毎年田植え・稲刈りを多くの人を呼んでイベント的に行っています、勿論裸足で入られる方もいらっしゃるし、田んぼで全力で泥遊びするお子さんもいらっしゃるので、除草剤は使用していません。

雑草があることにより、田んぼの土中や水に含まれる養分が雑草に奪われ、背丈が高くなればイネに当たるはずの日光を雑草が奪ってしまうことも。結果的にお米の獲れ高が下がります。

チェーン除草

詳しくは↑の記事をご参照ください。

塩ビパイプにチェーンを取り付け、田んぼ中を引き摺ります。発芽したての雑草は水面に浮き、発芽前の種子を土の下部に沈め発芽を抑制します。

タイミングがなかなか難しい作業で、雑草が出始めている頃ではもう遅いとも言われています。また、田植え後1か月くらいまでしかできない方法です。

手でひたすら抜く

最終的にはこれに行きつきます(笑)

一番確実な除草法ですが、腰が確実に壊れます。この作業をどれだけ少なくするかが農薬不使用の田んぼの命題かと思っています。

ただ、田んぼに入り雑草を抜いているとイネの状態も観察できます。イネには生育段階によって様々な病気がありますので、意外な発見が出来たりすることも。

梅雨~夏にかけて雨が続くと「いもち病」リスクが高まります。病菌がイネに付着し、気温15℃~30℃程、水滴がイネに8時間以上付いた状態が続くと危ないと言われています。

けずっ太郎

草丈1cm~3cmくらいの雑草に有効なのが、このけずっ太郎。

先端にこのようなギザギザがついており、草が出ている所をこれで削るとあれよあれよと雑草が浮きます(浮いた草が土に付かないように、作業後は深水をキープ)。

特にコナギの除草で効果を発揮します。ただし、ある程度の大きさになってしまったコナギだと、あまり効果を発揮しません。小さい雑草をこれで削り、根っこごと「浮かせる」のがこの道具の使い道。

大きくなった雑草では根っこごと浮かせるというより、雑草の茎を削る感じになります。根は残るので、数日経つとまた雑草が復活します

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けずっ太郎で作業したあとはこんな感じに。

小さな雑草が浮いています。雑草が大きくならないうちにこの作業ができると、後々の管理が非常に楽になります。

けずっ太郎の弱点

大きくなった雑草には使えなかったり、色んな弱点はありますが大きい弱点は、イネの株周りの除草が難しい・(慎重にやらないと)イネに傷をつけてしまうことがあることです。

けずっ太郎使用から1カ月から経ちますが、イネの株の周りのコナギがあまり除草できていません。また、イネの株周り、ギリギリのところを攻めるとイネをけずってしまうこともあります。これでは本末転倒です。

終わりに

けずっ太郎は、イネの株周り以外の除草をするにはもってこいの道具であることには違いありません。ただし、雑草が大きくなる前に使わなければ効果が発揮されません

その時々に合った除草方法をあれこれ試して、腰を最大限に労わった稲作を確立したいですね。来シーズンは、緑肥・米ぬか散布・失敗しないチェーン除草をまずは確立したいと思っています。

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