今日は薫る野牧場、西側の放牧地の柵打ちを行いました。
柵打ちといっても、牧場の敷地は既に電気柵を打っています。
今回柵を打ったのは、西側の放牧地。
夏場は採草地として使う場所で、冬は全頭こちらに放牧しています。
今回は電気柵の外側に単管で柵を張り巡らせました。
なぜ電気柵があるのに、外側に更に柵を打つかというと
- 牛が外に出ることを防ぐため ←主にこれ!
- 動物の進入を更に防ぐため
西側の放牧地は柵の外の傾斜が比較的急で、事故につながりやすい場所です。
放牧地外への転落事故が発生してしまうと、傾斜が急な山道を連れ戻すのは大変困難です。
今日の作業「柵打ち」のながれ
ざっと今回の作業の流れはこんな感じです。
- 作業の準備
- 2m単管を等間隔に地面に打ち込み
- 4m単管を2m単管にクランプを使って取り付け
- 4m単管をジョイントで延長
- 片付け
作業の準備
2mの単管を地面に打ち込むわけですが、これを人力でやるにはなかなか大変…
今回はこちらのバックホーを使用
トラックを借り、ブリッジで積み込みます。
バックホーの積み込みは毎度適度にビビりながらやっています(笑)
少しの操作ミスで事故に繋がってしまう作業です。
牛の注意をそらす
今回の作業は放牧地内で行います。
牛は好奇心旺盛な動物な気がします。車で放牧地に入ったり、刈払機で作業していると確実によってきます。壊すんじゃないかと思うほど、ミラーに頭をごしごししていたりします。可愛いのですが勘弁してほしい…。
注意をそらすため、ってわけではないのですが、おいしいはずの乾草を用意して、牛たちはこっちに集中してもらいます。ちょろいもんです。
冬場は山に草が生えないため、夏場に刈り取った乾草を飼料として与えています。
単管を地面に打ち込む
柵は全長100mほど。まずは2mの単管を半分の1mほどバックホーのバケットで打ち込む。
私は単管を支えるという非常に危ない役回り。
打ち込んだ単管に横棒(4m単管)を取り付ける
全長100mもあるわけで、4mの単管を大量に用意して、ジョイントで延長、延長。
打ち込んだ単管と横に伸ばす単管をつなぐにはクランプを使用します。
クランプという道具には2種類あり、
- 繋ぐ単管を90度(直角)のみで保持するのが「直交」
- 交差する単管を好きな角度でつなぐことができるのが「自在」
今回は「自在クランプ」を使いました。常にまっすぐの柵を作る野であれば直交でも問題ないと思いましたが、柵は絶妙に歪んでいるので、自由に曲げることが難しい単管で柵を作る上ではこちらが向いているのでは。
小ネタ 自在クランプの弱点
融通の利く自在クランプですが、一応弱点もあり、
- 直交は引張強度1,500kg程に対し、自在は1000kg程
- 許容荷重は直交で500kg、自在は350kg
と、 強いのは直交 みたいです。そりゃそうか。
自在に動くため、安定性をかくため、自在である必要が無い場合は積極的に直交を使った方が良いのではないかと思います。また、直交クランプのみだと強度に問題がある場合は、自在クランプも補強的な意味合いで使う場合もあるそうです。
クランプの取り付けは大好きです。ググっと締める感覚が気持ちいいですよね~
単管のジョイント
4mの単管を繋いでいくわけですが、こんなジョイントを使います
これを単管と単管のつなぎ目にいれて、上についているねじを締めると、ぐぐぐっと左右が広がるんです。
恥ずかしながら、今日初めましてで、感動しました。
どういう理屈かというと、ジョイントの中を見たらよくわかりました。
しかしよくできてるな~と。
ねじをしめると、幅がぐぐっと広がる。
とりあえず今日はここまで
クランプがなくなったので、今日はここまで。
常に放牧していることが基本である山地酪農において、牛の病気以外の事故リスクは高いようです。
また、自然や牛との付き合いになるので、人間にできないこと、仕方がないこともあるのも事実かと思います。
それでも、最大限家畜のリスクを取り除くことは、命を預かる者としての義務かと思います。
残りの作業は、また今度!
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