放牧地の移動《薫る野牧場、春の一大イベント》ついでに放牧地の見回りレポート

薫る野牧場

薫る野牧場は春~秋と、冬とで放牧地が異なります。
今日は牛を冬の放牧地から、春からの放牧地に移動してもらいました。

移動に伴い、冬季になにも使っていなかった放牧地の見回りも実施。
放牧していなかったため放牧地を一周歩きました。この間植えた芝のレポート付き。

薫る野牧場の全容

現在の薫る野牧場はこんな感じになっています。
なんと、実際に放牧しているのは現在借りている土地の半分以下。
半分以上の土地は未開拓になります。

これまで、主に冬季に放牧していたのが写真の左側の放牧地。
こちらは夏場に草を刈り取り、冬に与える乾草を調達する採草地でもあります。

そして今日もう片方の右側の放牧地に牛を移動しました。
こちらは春~秋にかけて放牧しています。薫る野牧場で唯一林があります。
風や雨が強い日は牛はここで休みます。

ちなみに放牧地下に見えるのが未開拓地。未開拓とはいえ、木々が生い茂っているわけではありません。人の背丈を超えるようなカヤがあったりします。本当に大きいのは3m以上あります。さらに、勾配もかなり急な場所。というわけで草刈りも容易ではなく、ここでの作業が進んでいません。

まずは一度ある程度草刈りをして、その草を燃やし、牛を放牧します。
ここの開拓は今年じわじわとやっていきたいと思っています。

牛の移動

そんな今日は牛の移動を実施。牛を移動すること自体は非常に簡単なことです。

毎朝おやつをあげている搾乳小屋にきていただき、こっちではなく、

単管で牛の進行をガード!

こっちにいってもらいます。

これで牛の移動は完了。なんて簡単な作業なのでしょうか。
牛たちは最初戸惑いずつも、放牧地へ駆け出していきました。

牛たちは(多分)楽しくなったり、興奮するとダッシュするのですが、今日はダッシュの本数が多かったです。

しかし、いくら365日放牧されている山地酪農とはいえある程度人間の助けも必要。
牛の飲み水用の水槽と、乾草用の飼槽も移動させます。

水槽の移動

牛が放牧地の移動後、そわそわしているうちに水槽の設置

牛たちが摂取するものは、まず第1に山に生えている草。冬場は草が生えないため乾草を与えています。ほかに搾乳小屋ではおやつ(ぬか・ビートパルプ・大豆粕等)。そして水です。

水飲み場は500ℓの水槽を置き、対応しています。その水槽の移動も行いました。

因みに、薫る野牧場は水道を引いておりません。厳密に言うと引かれているのですが、老朽化が進んでいるため使用はしておらず、自宅から軽トラで300ℓの水を積み、それを放牧地まで持っていきます。

搾乳小屋にも水槽を設置しています。搾乳にはバケットミルカーという器具を使うのですが、この器具の洗浄用にも水を結構使います。井戸でも掘れれば最高なのですがね~。

牛が水を飲むと、ちょろちょろ水が出てくるフロートを設置しているので、水が水槽に入っているかぎり自動で出てきます。たまに牛がいたずらをして、フロートが壊れるようです。

牛が水を飲むと水位が低下。フロートがある位置まで下がると水が自動で出る仕組み

飼槽の移動

放牧地も春の草が少しずつでてきているのですが、まだ、400kg以上ある牛の食事量まではカバーできないため、冬季に与えている乾草を今も与えています。

この飼槽は手作りなのですが、めちゃめちゃ重いです…。本当は解体できるといいのですが、ビスが曲がってしまい解体ならず…。軽トラにそのまま無理やり乗せ移動させました。乾草の訪れに牛たちもご満悦です。

放牧地の見回り

牛の移動は済みましたが、安全の為放牧地の見回りを行いました。主にこういった電気柵の見回りです。枯れ枝がひっかかっていたり、稀ではありますが鹿が引っ掛かり、柵がぶっ壊れていたりしますので、見回りを行いました。牛が新放牧地に浮足立っているうちに、いってきました。

種をまいた車道の様子

放牧地の一部に昨年車道を作ったのですが、そこにケンタッキーブルーグラスとクローバーの種を蒔いています。今日見たところ、ちょこっとだけ芽が出ていました。

こうして草が生え根を張ることによって、土の流失を防ぐことに繋がります。道を作って、土が露出した状態なので早く草の絨毯ができてほしいところです。

丸っこい葉は恐らく昨年種を蒔いたクローバー。
ぽこぽこ芽が出ている様子から春の訪れを感じられます。

この前植えたノシバたちの様子

つい先週植えたばかりですが、この間のノシバ・ムカデシバもチェックしてきました。若干葉がでてきたか?という感じだと思いますが、まだまだこれからという感じでした。

ノシバ・ムカデシバを植えたときの様子はこちら

薫る野牧場では一部エリアでノシバが自生しています

牧場の一部に、種を蒔いたわけでもなくノシバが群生しているエリアがあります。改めて見るとやはり根がかなりしっかり張っています。匍匐茎と呼ばれる茎も地面を覆いつくしていました。

ノシバの根の様子。ビッシリ。

因みに、昨年種を蒔き広まったエリアはこんな感じ。ノシバはほかの雑草を生やさないほど地面をびっしり覆いつくすと言われています。牛のエサとしても優秀で、食べてもすぐに葉が生えてくるそうです。

まとめ

今日の作業は以上でした。放牧地の移動は、

  • 牛の移動
  • 水槽・飼槽の移動
  • 放牧地の見回り

までやって、やっと完了です。

放牧地を眺めてみると、春に生えてくる草がすこしずつですが生えてきています。
牛たちは自生している草が大好き。毎日搾乳小屋に牛を呼ぶのですが、草がおいしい時期は、本当になかなか帰ってきません。

早く草を食べたくて、わずかに生える草を探し求めるの図

ここ最近はこんな光景も見られます。少しずつですが草の時期。
春の半ばに差し掛かろうとしているなと感じられます。牛も心なしか楽しそう。

酪農に限らず農業全般に言えることかと思いますが、自然の変化を肌で感じられる、気持ち良い職業だなと改めて思いました。今日の仕事は以上!

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