今日は牛のエサやりの当番を仰せつかったので牧場のお仕事。まだ放牧地に草が豊富に増えていないので乾草を与え、搾乳小屋に牛を追い、米ぬか・ビートパルプなどのおやつを与えます。
珍しく牧場スタッフ3人が今日は揃い、スタッフの一人吉田さんが庭の草取りをしたようで、青草をたくさんもってきてくれました。そんな青草の話からスタート。
野草を牛に与えました
スタッフの吉田さんがカラスノエンドウとスギナを取ってきてくれたので、今日はそれを与えました。普段は乾草を与えていますが、文字通り乾いた草。食い付きが良いときはすぐ食べますが、たま~に残したりしちゃいます。
今日は青草(とれたて!超新鮮)を与えたので牛たちの目はいつもと違いました。あっという間にコンテナ2つ分を完食。しばらく乾草しか食べていなかったので牛たちもいよいよ初夏の訪れを感じたのではないでしょうか。
カラスノエンドウとは?
マメ科なので、たんぱく質も豊富な草。そしてマメ科特有、根には根粒菌という菌が存在します。根を介して土の中に窒素を供給する働き者。植物が「窒素肥料」を作り出してくれるという仕組み。有機栽培で畑をやっている方の中には、「益草」として抜かずに生やしておく方もいるそう。
牛の食い付きは、後述のスギナより良かったかなという印象。牧草としてめちゃめちゃ食いが良い「アルファルファ」という草があるのですが、それもマメ科ということで食いが良いのではないのでしょうか。そしてカラスノエンドウは人間も食べるみたい。天ぷらにしたり、お茶にもなるようです。興味のある方は調べてみてください。
スギナとは?
スギナが生えているところにはツクシがよくなるとよく聞きましたが、調べてみるとスギナとツクシは同じ植物なんですよね。見た目は全然違うから、驚いたのをよく覚えています。春先に出る奉仕茎をツクシと呼ぶそうです。
スギナ茶は有名で、ドイツではハーブティーとしても親しまれています。しかし、畑に繁茂しているのがよく見る雑草の一つですよね。めちゃめちゃ強い草で、農家はよくスギナに悩まされると聞きます。カラスノエンドウは益草、こちらは害草になります。
放牧地もいよいよ草が生えてきました
4月を迎えて一気に放牧地内も草が生え始めてきました。冬季は草が出ないため牛に夏場に作った乾草を与えているのですが、牛たちも少しずつ草に気づき始め、わずかに生えた草を食べ始めます。
分娩を来週頃に控えるあやめ
予定では4月20日前後に分娩を迎えるであろう、あやめ。もうそろそろ4歳(48ヶ月齢)になります。この牛は2018年6月に岩手県中洞牧場からやってきた牛で、「あやたん」という母の子だったので薫る野牧場に来るまでは「あやたんこ」という名前だったのですが、改名しようとなり、「あやめ」になりました。
左にいる牛はあやめの子、すみれです。すみれにももうすぐ妹か弟ができるわけです。
すみれはここ1年程、薫る野牧場の中でもずっと年下の牛で、親牛に角でつつかれたりすることもありましたが、身体も徐々に大きくなり牛らしい顔になってきました。
山地酪農における自然分娩とは?
牛の分娩は、山地酪農だからといって自然分娩というわけではありません。基本的には清潔な分娩房を利用し、出産前は飼養管理を徹底し難産のリスクを抑え、人間が分娩を介助しない(見守る)だけの自然分娩が望ましいと言われています。
ただ、山地酪農の場合だと、山を上り下りしているので足腰が一般的な牛舎飼いの牛と比べて強いため、難産になりづらく自然分娩がスムーズに行えるといわれています。
365日放牧していて分娩の時は専用の部屋があるの?
薫る野牧場では、分娩も放牧地で行います。牛も出産し易い場所を選びます。立ちやすい・座りやすい・総じて言うと産みやすい場所を選んでいるのだと思います。
ただ、雨風が強いときや、冬で極度に寒い日の分娩は子牛の死亡リスクが高まります。お産直後の子牛は羊水で濡れていて、それを母牛が舐めとってくれれば良いのですが、稀に放置されることもあるようで、そういった場合は子牛の体温が下がり死に至る場合があります。
出産前は特に母牛の様子を観察し、場合によっては屋内で出産してもらうことになります。
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