6月6日・7日に田植えが終わりました。
今年は田植えが終わった直後に「米ぬか」を散布しました。
米ぬかの田んぼへの散布は、諸説あります。
調べてみると、「まいてみた」という記事が多い中、中には様々なデメリットもあるという話も…。
そんな米ぬかの話を今日はまとめていきます。
私の田んぼの特徴
当田んぼは「農薬・化学肥料不使用」で管理しています。
田植え・稲刈り時にはできるだけ多くの方に安心して田んぼに入って頂きたいので、不自然なものは使用しないようにしています。
因みに使っている肥料はこれから紹介する「米ぬか」と、育苗用に使用した「成苗用有機元肥」です。
あとは田んぼの土に含まれる養分、日光、水で稲を育てています。
水は西丹沢からかと思いきや、私が管理している谷峨の田んぼ一帯には、富士山方面からの水が流れてきています。酒匂川につながる「鮎沢川」から水を取っています。
米ぬかとは?
ぬか漬けに使われたり、タケノコの灰汁抜きに使われる米ぬか。
私の身近な使い方と言えば、牛の飼料。牛以外の家畜にも与えられることも勿論あります。
米ぬかは玄米を精米したときに出ます。
精米のとき、玄米の表面にあるうす~い層など(糠層・胚芽)があり、これを削っています。
その時に出るのが「米ぬか」です。
米ぬかを田んぼで使うには
様々な用途・効果があります。いずれも諸説あります。
諸説あるというか、「メリットとデメリットがある」、といった方が適切かもしれません。
米ぬかを他の肥料と混ぜて発酵させた状態で散布する方法、他の資料と混ぜてペレット化して播く方法もありますが、「生ぬか」として播く方法をご紹介します。
播くタイミングとして、2つ紹介します。
他にもあるのかもしれませんが割愛させて頂きます。
稲刈り後に散布、耕運して田んぼに鋤きこむ
稲刈り後、田んぼ1面には刈られた稲の株と、稲刈り時に落ちた藁などが残ります。これをそのまま残しておくと、来春に色々不都合が起きます。例えば、春まで刈られたイネの株が残っていると、雑草が出やすくなったり、残ったイネの株が病原菌の住処になったり。
一般的には稲刈り後、田んぼをトラクターなどで耕運します。そのタイミングに糠を田んぼに鋤きこんでいきます。米ぬかがエサになり微生物が繁殖します。稲わらを分解したり、土づくりにも効果があるとのことです。
田植え直後に散布
こちらも微生物のエサになるという意味合いがあります。
特に、これから発芽しようとしている段階の雑草に効果があるとかないとか。
ヒエの防除にはある程度なるようです。
様々な効果があるとのことで、田植え直後に米ぬかを播くときの効果をまとめました。
メリット
「有機酸」の発生により雑草の発芽の抑制になるそうです。ぬかが微生物のエサになることから生物の多様性が高まりイトミミズが増えます。このように有機物が多く存在する田んぼには「トロトロ層」なるものができ、雑草の発芽を抑制します。
デメリット
米ぬかが発生させる「有機酸」がイネの根の成長を阻害させる、という話をよく聞きます。また、原理はよく分かりませんが、地中の酸素量が減ることにより、「コナギ」という雑草が多く発芽するという話も聞きます。
私の田んぼで多い「ヒエ」と「コナギ」は発生のメカニズムが異なります。ヒエは地中に酸素が供給されると発芽し、コナギは地中の酸素量が減ると発芽するそうです。
田植え当日に糠を播きました
田植え直後に糠を1反の田んぼに100kg播きました。
生のぬかで播くので、糠が風に乗って飛んで行ってしまうので結構気を遣います。
ペレット状にして播くやり方もあるとのことで、確かに楽だなと思いましたが、ペレットにする機械がありません。また、水を含ませて「米ぬか団子」にして、ぽいぽい投げるやり方もあるそう。水を含ませるので播く量は逆に増えますので、これも考え物ですね。
当日田んぼに来て頂いた皆様に播いてもらい、3人で5畝の田んぼ1時間ちょいかかったでしょうか。
一人で5畝の田んぼをやったら2時間以上はかかるかもしれません
(7月頭までの)ぬかの効果
まだ効果は測りえないですが、すでにコナギは発生しています。
ただ、ヒエは例年に比べ若干少ないかな?という印象です。
私の田んぼではヒエはどちらかというと梅雨明けくらいから本気を出すのでまだまだこれからですね。
まとめ 田んぼは複数の要因で成り立つ
米ぬかは、「田んぼのトロトロ層作り」「ヒエの発芽抑制」には有効ということが分かります。
そして残った課題は「コナギの防除」と「イネの根の成長の阻害」です。
これら、ぬかの使用で起こる障害を抑えるための方策が必要です。
「これをすればすべて解決する!」ということは稲作では無い話で、あれをやってこれをやって、総合的にお米がよく育って豊作!というのが理想です。
とりあえず、今年は今後の経過をよく見て、来年以降の稲作に活かしていきたいと思います。
コメント