《新卒採用より移住?》大学卒業後即移住の強みと弱みのお話

地方移住 U・Iターン

私は大学卒業後、4月から山北町に移り住みました。

物事をあまり考えない性格で、実際に移住してみると色んな失敗に直面しました。しかし、大学を卒業してすぐに山北町に移住して良かったと思うこともありました

この記事では「移住」というキーワードが選択に浮かぶあなたに向けて書いています。大学の卒業など、キャリアの転換期を迎えて悩んでいるあなたの背中を押したり、時には止めたりすることを色々まとめてみました。

卒業後即移住の強み

私は卒業後にすぐ移住したわけですが、その中で見えてきた強みと弱みについてまとめていきたいと思います。正直失敗の割合のほうが多めですが、結果的に楽しく生活しているので今も住み続けております。

①時間がある → 地域の懐に入り込む絶好のチャンス

学生時代に2度共和地区のゲートボール大会に出場しました

特に大学生は時間を沢山作れます。あちこちの見知らぬ土地を旅行したり、インターンシップで気になる地域の企業に行くことも可能。私は学生時代にインターンシップで島根県の隠岐、海士町へ行ったり、今住んでいる山北町の共和地域で地域おこしのプロジェクトに関わったりと、飛び回っていました。

ここで学生が地域おこしなどに関わる上で得することを一つ。それは、「金のにおいを感じさせないので、地域側の警戒心が無くなる」ということ。地域がうんざりしていることとして「自治体主導、中途半端な地域活性化のプロジェクト」ってのがあります。東京のコンサル会社が受注し、市町村からは地域活性化のためにと莫大な資金がコンサルに支払われ、2年、3年の契約が終了すると中途半端な「何か」しか残らない。

外部から来た「地域活性化やりましょうよ勢力」への警戒心や不信感は強くなりがちです。しかし、地域おこしに興味のある学生は、相談料をよこせ!とは言いません。せいぜい交通費。年齢的には孫世代の子たちが、都会の大学からやってきてくれるのです。お金もそんなにかからないし、都会からこんなところまでやってきてくれるし、となると警戒心も緩みガードも下がります。30代、40代になってから移住先を探すよりも、多くのメリットを享受できるのではと思います。

時間が沢山作れる、地域もオープンにさせられる。この学生である期間に使えるものは使って、すぐに移住するのではなくても、将来のための種を蒔いておくことは、絶対お得です。

移住に向けた「種まき」ができるようなマッチングサービスも普及しています。「おてつたび」というサービスは地方でしごとを手伝いながら、地域との関係性も築けるという魅力的なもの。学生時代にあったら絶対使ってました。

②どの地域も人手不足なので歓迎される

地域には自治会や消防団、老人会など、たくさんの組織があります。ご存じの通り、地方では人口減少が進んでいます。主に将来の地域を担っていくような若い人が減っています。少子高齢化です。今まで可能だった組織の運営・町内で行われるイベントの開催も困難になります。そんな地域に若者が越して来たら、もちろん歓迎されるでしょう。

私の場合は山北町商工会という、町内で事業を営む方の集まりに参加していました。ここには青年部という組織がありました。事業所の後継者が所属する組織です。この組織でも人不足が起きていましたが、私は移住直後に入部させて頂き、知り合いも増えましたし、入部がきっかけでお仕事を頂くこともできました。結果的に私は得をして、青年部の側もイベント出店や青年部の行事を行う際の労働力(私)が確保できたということで、理想的な関係性が築かれたわけです。

地域にある様々な組織は人手不足によって、移住してくるあなたに是非入ってほしいと思うケースが多いと思います。ここで肝心なのは、こういった組織を、移住したあなたが活用する力です。

協力的な姿勢を持つことは、地域の人々との信頼関係につながります。
事業や物事を進める上でこの信頼関係は極めて重要です。

移住に際して持ち合わせてきた「目的」を明確に持ち、そういった組織に属し貢献して得られた価値を上手く活用しましょう。

こういった組織に一切属さず淡々と事業を行い成功されている方もいます。決して「協力的な姿勢を持つことがベストですよ!」というメッセージではありません。

③「新卒」は卒業後3年まで使える!いくらでも利くリカバリー

移住後、理想とのギャップに困惑したとき。大学卒業後3年までであれば「新卒」というブランドと、20代半ばという若さを武器に、移住した地域を離れて再就職のチャンスを狙うことも可能です。企業によって異なりますが、新卒と既卒では募集要項が結構変わることもあります。企業が求める人材も異なってきます。一概には言えませんが、

新卒=研修制度もフル活用。長期間会社の事業を担って欲しい人材が欲しい
既卒=即戦力としての人材が欲しい。とりあえず労働力を補填したい。

など、異なってきます。

逆に、既卒だと再就職の難易度が上がる!ということも一概には言えません。例えば、地方での起業の経験、仕事や様々な組織にもまれて培われる知識や経験は就職活動の際に武器になるはずです

業種によっても差がありますが、新卒の離職率は平均で3割。5割を超える業種もあります。自己実現のために周りの学生と違ったキャリアを選ぶというのは、若ければ若いほどリスクが低くなるので、アリだと思います。

卒業後即移住の弱み

①若いのであれこれ頼まれ過ぎちゃうけど、大丈夫?

人手が足りないので歓迎されると前述しましたが、あれこれ頼まれ過ぎてストレスを感じちゃう、典型的な話です。田舎に移住したけど、地域のしがらみとか、自治会活動が多すぎるとか、周辺住民と溶け込めないとか、実際に聞く話です。

田舎は都会と比べて、ゆっくりとした時間を過ごせるとか、周辺住民に気配りなく自由に暮らせるとか、良いイメージが先行しがちですが、すべてが本当ではありません。寧ろ、田舎の方が周辺住民への気配りは必要ですし、自治会などの役回りがあり、都会なんかよりも周囲への気遣いが必要です。

自治会はまだしも、消防団や、商工会、地域の青年部など、若者としての役が必ずあります。一概には言えませんが、入れる組織は一通り入って欲しいと地域側は考えると思います。最初はノリノリで入ったものの、結果的にそれが重荷になって、あなたがすべきことが滞ってしまう、本末転倒が招かれてしまうかもしれません。

地域側が配慮して人に物を頼めば解決するのですが、基本的には人手不足。できれば入ってほしいと思うのは自然なこと。必要なのはあなたが意思をもって断る決意を持つか、そういった組織に入り込み組織を上手く利用することです。地域であれこれやって、多少なりとも信頼が得られると、「あいつは頑張ってんな」とあるとき評価されるでしょう。

明確な目的意識を持っている人にとって、こういった組織に所属することは、ある意味「手段」になります。私は移住後の主な仕事が営業職で、こういった組織での活動や、得られる情報が仕事に直結することもあり、積極的に取り組む動機になりました。

②社会経験値が不足している点

私が最も痛感したのは、これ。会社勤めもしたことが無く、社会人としての基礎力・経験が少ないです。

ただ、これはあなたの移住後の働き方に依ると思います。一つの企業に勤める働き方(移住したけど一般的な新卒採用と同じような)であれば、自然とステップアップしていくと思いますが私は複数の企業に雇われる形で、マルチなフリーター?のような働き方をしていたので、会社の研修も一切なく、卒業して大学生のまま働き続けている感じでした。

そんな中、私の経験値を補ってくれたのが、地域の消防団や青年部での経験です。所属している人の多くは、仕事をバリバリやっている人や、会社を経営している人。想像を絶するような苦労をした方もいて、そんな方々からのアドバイスや価値観に触れることで、一層私の意識も高まり、様々な勉強をさせて頂くことができました。

何かしらのスキルやノウハウを持った上で移住する人は強いです。移住後の仕事に幅ができます。大学卒業後すぐ移住する人は、将来性がありますが現状の仕事力(社会人としての基礎的な力)が圧倒的に不足しています。

まとめ

得するのはあなた次第、損するのもあなた次第。

これに尽きます。あなたが移住後、地域の様々な組織に入りお手伝いをすることは、組織にとっては良いことになります。しかし、それだけではあなたに見返りはありません。明確な目的意識のもと、あなたが成し遂げたい目標を実現するにはどうすれば良いのか考えるといいでしょう。地域の組織に一切属さないという選択肢もアリだと思います。

因みに私は、具体的な目的意識が低かったです。
移住後2年目の終わり頃に、まだ新卒だし一般企業でも受けて都会の荒波に揉まれてみようかな~と真剣に考えたこともありました

大事なことは、

あなたが明確な目的意識を持つこと。
目的達成に向けた適切な計画を設定すること。

この意識を養うことを在学中に成せれば、移住しても失敗する可能性は低くなると思います。明確な目的意識を持っている人は、「しっかりしているな~」という周囲の人からの評価にも繋がります。

今一度、大学卒業をしてなぜ地域に移住しなければならないのか、考えてみましょう。

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